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2026.08.06

「大人の歯が重なって生えてきた…」放置するとどうなる?7〜9歳で矯正相談をおすすめする理由

「大人の歯が生えてきたけど、明らかにスペースが足りていない」
「永久歯が重なって生えてきた」
「まだ生え変わりの途中だから、様子を見ても大丈夫?」

このようなお子さまの歯並びについて、ご相談いただくことがあります。

まずは、実際に当院でマウスピース矯正による治療を行ったお子さまの変化をご覧ください。

永久歯が完全に重なって生えてきたお子さまの矯正症例

治療開始時

【Before写真】

前歯の永久歯が生えてきていますが、2番目の歯が大きく内側に入り、
さらにその2番目の歯とほぼ完全に重なるような位置から、3番目の歯である犬歯が生えてきています。

単に少しガタガタしているという状態ではなく、
永久歯が本来並ぶべき場所を確保できていない状態でした。

歯がこのように重なって生えてくる背景には、永久歯そのものの大きさに対して、
それを受け入れる歯列のスペースが不足していることがあります。

このまま永久歯への生え変わりが進めば、後から生えてくる小臼歯などのスペースもさらに不足し、
歯のがたつきがさらに強くなっていくことが予想されました。

そこで今回は、成長期というタイミングを利用しながら、
「今生えている前歯を並べる」ことだけではなく、
「これから生えてくる永久歯のスペースを確保する」こと
を目的に、マウスピース矯正による治療を開始しました。

そして約1年後です。

約1年後

【After写真】

治療前と比較すると、歯列に永久歯が並ぶためのスペースが確保され、
内側に入っていた前歯や、重なるように萌出していた犬歯も大きく改善してきています。

まだ永久歯への生え変わり途中ですので、これで治療がすべて終了したわけではありません。

しかし、この症例で非常に重要なのは、
「ガタガタだった前歯がきれいになったこと」だけではありません。

これから生えてくる永久歯まで考えながら、
成長期のうちに歯が並ぶスペースを確保できたことに大きな意味があります。

子どものマウスピース矯正は「今ある歯を並べるだけ」ではありません

マウスピース矯正というと、
「少し歯並びがガタガタしている人向け」
「軽い症例に使うもの」
というイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、小児期のマウスピース矯正では、症例によっては単に現在生えている歯をきれいに並べるだけではなく、
歯列全体のスペースを調整しながら、永久歯が生えてくる場所を確保していく治療を行うことができます。

今回の症例でも、犬歯が隣の永久歯と大きく重なるほどスペースが不足していましたが、
歯列全体を見ながら少しずつスペースを作ることで、約1年間でここまで改善してきました。

ただし、
「マウスピースを入れれば、どんな歯並びでも治せる」というわけではありません。

重要なのは装置の種類ではなく、
・どこに、どの程度スペースが不足しているのか
・どの歯をどの方向へ動かす必要があるのか
・これからどの永久歯が生えてくるのか
・顎や歯列の成長をどの程度見込めるのか
・マウスピース矯正で対応できる症例なのか

を診断したうえで、適切な治療計画を立てることです。

症例によっては、マウスピース矯正以外の装置を選択した方が適している場合もあります。

もし、このまま「様子見」をしていたら?

今回のような状態でも、
「まだ乳歯が残っているから」
「永久歯が全部生えてから矯正を考えればいい」
と思われる方もおられるかもしれません。

確かに、永久歯がすべて生え揃ってからでも矯正治療はできます。

しかし、ここで知っていただきたいのが、
「あとからでも治療できる」=「あとからでも同じ治療ができる」ではない
ということです。

今回の症例では、すでに前歯の段階で永久歯が並ぶスペースが不足し、
犬歯も隣の永久歯と大きく重なるように生えてきていました。

つまり、この段階ですでに
「これから生えてくる歯に対して、歯列の受け入れスペースが足りていない」
ことが分かります。

このまま小臼歯などの永久歯まで生えてくれば、
さらにスペースが必要になります。
それでも歯列の大きさが変わらなければ、
「永久歯は生えてくるのに、その歯が入る場所がない」
という状態がさらに進んでいきます。

永久歯列が完成した段階で大きなスペース不足が残っていれば、
成人矯正では小臼歯などの永久歯を抜歯し、
そのスペースを利用して歯を並べる治療が選択肢になる可能性があります。
もちろん、抜歯矯正が悪いわけではありません。

口元の突出や骨格、歯槽骨の状態などによっては、抜歯を選択した方が適切な症例もあります。

ただ、
成長期に明らかなスペース不足が分かっているのであれば、
その時期だからこそできるアプローチを検討する。

これが、小児矯正を早い段階で相談していただきたい大きな理由です。

なぜ「7〜9歳」が重要なのか?

当院では、お子さまの歯並びが気になる場合、
7〜9歳頃には一度矯正相談を受けていただくことをおすすめしています。

この頃は「混合歯列期」と呼ばれ、乳歯から永久歯への生え変わりが本格的に進んでいく時期です。

前歯の永久歯が生えてくることで、
「スペースが足りそうなのか」
「このままでは犬歯が入らなさそうなのか」
「永久歯が重なって生えてくる可能性が高いのか」
「上下の顎のバランスに問題がありそうなのか」
など、将来の歯並びを予測するための情報が増えてきます。

そしてもう一つ重要なのが、まだ顎・歯列が成長途中であることです。

成人矯正では、基本的にすでに完成した骨格・歯列の中で、どのように歯を動かすかを考えます。

一方、小児期では成長発育やこれからの永久歯の萌出を考慮しながら、
「永久歯が生えてくるための環境をどう整えるか」
という視点を治療計画に加えることができます。

これが成人矯正との大きな違いです。

小児矯正は「前歯をきれいにする治療」ではありません

今回の症例写真を見ると、
「1年で前歯がかなりきれいになった」
という部分に目が行くと思います。

もちろん、それも治療による変化の一つです。

しかし、小児矯正で本当に見なければならないのは、今見えている歯だけではありません。

レントゲンなども確認しながら、

これからどの永久歯が生えてくるのか。
その永久歯が入るスペースはあるのか。
上下の顎はどのように成長しているのか。
現在、何mm程度スペースが不足しているのか。
そのスペースをどのように確保するのか。

こうした情報を総合して治療計画を立てます。

例えば、今ある4本の前歯だけを無理にきれいに並べても、
その後に生えてくる永久歯のスペースがなくなってしまえば、根本的な解決にはなりません。

マウスピース矯正を使用する場合も同じです。

「マウスピースで前歯を並べること」が目的なのではなく、
永久歯列が完成したときにどのような歯並び・噛み合わせを目指すのかを考え、
その途中の手段としてマウスピースを使用します。

だからこそ当院では、
「今の歯並びをきれいにする」だけではなく、
「永久歯列が完成した時にどうなるのか」から逆算して考えることを大切にしています。

「全部生え変わるまで待ちましょう」が正しいとは限りません

お子さまの矯正相談では、
「以前、歯医者さんで全部生え変わるまで様子を見ましょうと言われました」
というお話を聞くことがあります。

もちろん、本当に経過観察で問題ないケースもあります。
そのため、「様子見=間違い」ではありません。

ただし重要なのは、
「なぜ様子を見ていいのか」が診断されているかどうかです。

スペースが十分にあり、顎の成長や噛み合わせにも大きな問題がなく、
今治療するメリットが少ないのであれば、経過観察で問題ありません。

一方で、

永久歯が大きく重なって生えている
永久歯が生えるスペースが不足している
噛み合わせに問題がある
顎の成長バランスに問題がある

といった状態であれば、すべての永久歯が生えるまで待つことで、治療の選択肢が狭くなることがあります。

「まだ7歳だから早い」ではなく、
7〜9歳だからこそ、一度状態を確認する。

この考え方が大切だと当院は考えています。

「永久歯が重なって生えてきた」そんな時は、一度ご相談ください

お子さまの永久歯が生えてきたとき、
「ちょっと斜めから出てきたけど大丈夫かな?」
「大人の歯同士が重なっている気がする」
「大人の歯が生えるスペースがなさそう…」
と、不安に感じることもあるかと思います。

生え変わりの途中は歯並びも大きく変化するため、「もう少し様子を見てもいいのかな」
「今相談するのはまだ早いかな」と迷われる方も少なくありません。

もちろん、相談したからといって、すぐに矯正治療を始める必要があるわけではありません。

お口の状態を確認したうえで、
「今はまだ治療せずに、生え変わりを見ていきましょう」
「半年後くらいに、もう一度歯並びを確認しましょう」
とお伝えさせていただくこともあります。

一方で、今回ご紹介した症例のように、永久歯同士が大きく重なるほどスペースが不足している場合には、
成長期のうちから治療を始めることで、これから生えてくる永久歯のスペースを確保できるケースもあります。

今回のお子さまも、マウスピース矯正を用いて少しずつスペースを確保することで、
約1年間で歯並びが大きく改善してきました。

ただ、すべてのお子さまにマウスピース矯正が適しているわけではありません。

大切なのは、装置を決めることよりも、「なぜ永久歯が重なって生えてきているのか」
「これから生えてくる永久歯のスペースは足りているのか」を一度確認してみることです。

そのうえで、お子さまの年齢や成長段階、これからの生え変わりを見ながら、
今治療した方がよいのか、もう少し待ってもよいのかを一緒に考えていきます。

「この生え方、大丈夫かな?」

そんな小さな心配でも大丈夫です。

まだ治療するか決めていない段階でも、まずはお子さまの今の歯並びと、
これからの生え変わりについて知る機会としてご相談いただければと思います。

毎週木曜日に歯並び無料相談会を行っています

当院では毎週木曜日に、矯正専門アドバイザーによる歯並び無料相談会を行っています。

「永久歯が重なって生えてきた」
「まだ7〜8歳だけど、相談するのは早い?」
「マウスピース矯正で治療できるの?」
「今すぐ始める必要があるのかだけ知りたい」といったご相談でも構いません。

すぐに矯正治療を始めることを前提にするのではなく、
まずは現在の歯並びと、これからの生え変わりについて一緒に確認していきます。

一度、気軽にご相談ください。