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2025.11.06

子どもの「低位舌」と歯並び・顔つきの関係|放置NGのサインとMFT・矯正での改善法

低位舌(ていいぜつ)とは、舌が本来の位置より下がってしまう状態のこと。
一見小さなクセのようですが、放っておくと歯並び・顔立ち・呼吸機能
にまで影響を及ぼします。


正しい舌の位置とは?

舌は、話したり食べたりするだけでなく、あごの発育や歯列形成を支える重要な筋肉です。
本来の舌の位置(=正常舌位)は、

  • 舌先が上の前歯の少し後ろ(スポット)に触れ
  • 舌の中央〜奥が上あご(口蓋)にぴったり密着している状態。

この舌位をキープできていると、

  • 鼻呼吸がスムーズにできる
  • 舌の圧力で上あごが横方向に広がる
  • 歯がきれいに並びやすく、噛み合わせが安定する

つまり、舌は**「天然の矯正装置」**なのです。


舌が下がるとどうなる? ― 歯並びと顔の成長への影響

舌が低い位置にあると、上あごを押し広げる力が足りず、
歯列が狭くなったり、歯が内側に倒れたりします。
結果として、次のような歯並びの問題が起こりやすくなります。

  • 出っ歯(上顎前突):舌が下にあるため、上の歯が外へ傾く
  • 受け口(反対咬合):下顎が前方に成長しやすい
  • 開咬(上下の前歯が噛み合わない):舌が前方に出て歯を押す

さらに、低位舌によって鼻呼吸が妨げられ、口呼吸が習慣化すると、
顔の発育にも影響が及びます。


👃 アデノイド顔貌(アデノイドフェイス)とは

慢性的な口呼吸が続くと、
顔の筋肉バランスが崩れ、いわゆる「アデノイド顔貌」と呼ばれる特徴的な顔立ちが見られることがあります。

  • 口が常に半開き
  • 鼻の下が長く見える
  • 上唇が薄く、顎が小さい
  • 顔全体が縦長で平面的な印象

これらは単なる見た目の問題ではなく、
舌が下がっていることにより、あごの発育や呼吸機能が制限されているサインです。

一度形成された骨格や筋肉の使い方を後から変えるのは難しく、
成長期のうちに正しい舌の位置を取り戻すことが最も効果的です。


なぜ低位舌になるの? ― 日常に潜む原因

  • 鼻づまり・アレルギーによる口呼吸
  • やわらかい食事中心で舌を使わない食習慣
  • スマホ姿勢・猫背で舌が後ろに引かれる
  • 指しゃぶりや頬杖などのクセ

これらが重なることで、舌が上がらず、
「下に落ちたまま固定」されてしまうのです。


自宅でできるMFT(口腔筋機能療法)

低位舌の改善には、**MFT(口腔筋機能療法)**が欠かせません。
舌や唇、頬の筋肉を正しく動かすトレーニングで、
歯並び・呼吸・嚥下(飲み込み)のバランスを整えます。


🪥 自宅でできるMFTトレーニング

① あいうべ体操(舌と表情筋の連動)

  1. 「あー」「いー」「うー」「べー」と順に口を大きく動かして発音。
  2. 「べー」で舌を前に出し、下へ伸ばす。
    👉 1日2〜3セット・10回ずつ

💡顔の筋肉と舌の協調性を高め、鼻呼吸の習慣づけにも効果的です。


② 舌ポッピング(舌の正しい位置を覚える)

  1. 舌先を上の前歯の少し後ろに置く。
  2. 舌全体を上あごに吸いつけ、「ポンッ」と音を鳴らす。
    👉 10回×1日2セット

💡舌が上あごに触れる感覚を習得し、自然と正しい舌位に戻ります。


③ ガムトレーニング(咀嚼と舌の協調)

  1. キシリトールガムを中央に置き、左右均等に噛む。
  2. 鼻呼吸を保ちながら5〜10分。
  3. 嚥下のタイミングで舌を上に押し当てる。

💡片側噛みを避けることで、顔の筋バランスも整います。


④ 前歯で「かじる」練習

やわらかい食事ばかりでは、舌も顎も十分に使えません。
りんご・人参スティック・とうもろこしなどを前歯でかじり、
しっかり奥歯で噛み、舌でまとめて飲み込む動きを意識しましょう。

💡この一連の動作が、舌・唇・頬・顎を協調的に働かせる最良のトレーニングです。


放っておくとどうなる? ― 成長期の取り返しづらい変化

低位舌を放置すると、

  • 上あごの幅が狭くなり歯が並ぶスペースが足りなくなる
  • 噛み合わせが悪くなり、顎関節に負担がかかる
  • 顔の下半分が長く見える(アデノイド傾向)
  • 舌の動きが悪く、発音・嚥下にも影響

これらは成長期を過ぎると自然改善が難しくなるため、
早期のトレーニングと正しい指導が大切です。


歯科医院でのサポート ― MFT+矯正の連携

当院では、お子さんの年齢・筋力・癖に合わせたプログラムを提案しています。

必要に応じて、矯正治療と併用し、
歯並び・噛み合わせ・呼吸・姿勢をトータルにサポート。

「矯正だけでは戻ってしまう」
「舌だけ鍛えても歯が動かない」――
そんなケースを防ぐために、MFT+矯正の連携が鍵となります。


まとめ:今の舌の位置が、未来の顔をつくる

舌の位置は、歯並びや顔の形、呼吸、姿勢にまで影響する大切な要素です。
低位舌は、成長期のうちに正しい位置を取り戻すことで、
将来の歯列不正やアデノイド顔貌を予防できます。

お子さんの「口が開いている」「舌が見える」と感じたら、
ぜひ早めにご相談ください。

当院では、MFT・矯正・姿勢改善を組み合わせたサポートで、
お子さんの笑顔と健やかな発育をお手伝いしています。

この記事を書いたのは…

マウスピース矯正専門アドバイザーけんたろう

これまでに500名以上の患者様の矯正相談を担当。
実際に自身もインビザラインでの矯正治療を行なっており、治療インビザラインに関する知識はもちろん、自身の経験ももとに患者様の視点で、おひとりおひとりに合った治療を一緒に考えさせて頂く役割です。
矯正のご相談では、お口のお悩みやご希望など時間を十分にお取りしてお伺いします。

今までの歯科治療での不安や、なかなか先生に言いにくいことなどもお話して頂けたらと思います。
患者様の「不安」を「安心」にできるよう、わかりやすく丁寧にご説明させていただきます。

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